機械式時計はデリケート! リューズ操作は慎重に!
「壊れやすい」は少し大げさかも知れません。しかし誤った操作方法で、時計の操作をすると時計が壊れる可能性は十分あります。
知っている人にとっては常識ですが、意外に知らない人が多いのがリューズ操作です。リューズ操作は時計にとっては危険な場合があります。
その理由はリューズを引くことでリューズはムーブメントに直結します。そのことでユーザーはリューズを通して、ムーブメントを直接操作可能となるのです。
機械式ムーブメントは自動巻だと、100以上の部品から構成されます。それらが複雑に絡み合い駆動して時間を刻みます。
リューズを回すだけでこれら部品が動くのです。リューズでの調整をすると通常歯車が動く速度より速く、動くことになります。
つまりリューズを動かすことは歯車へいつも以上の負荷を掛けることになるのです。そのため、リューズ操作を慎重にすることが求められます。
そしてリューズ操作ではやってはいけないことが、いくつかあります。
そのひとつが、「禁止時間帯」のカレンダー操作です。では具体的な時間帯はどの時間なのでしょう?
そのひとつが、「禁止時間帯」のカレンダー操作です。では具体的な時間帯はどの時間なのでしょう?
メーカーによって異なる、カレンダー調整 禁止時間帯はどの時間?
このサイトの読者の多くは機械式腕時計愛好者でしょう。カレンダー操作の禁止時間帯があることを知っている人も多いと思います。
しかしこの禁止時間帯がメーカー毎で異なることはあまりよく知られていません。一般的に多くのサイトで紹介している「禁止時間帯」は20時から翌4時までのものがほとんどです。
ただ僕の私物 Tissotの場合カレンダー操作の「禁止時間帯」は22時から翌2時と取扱書に書いています。このように「禁止時間帯」はメーカーによって微妙に異なります。
またブランドモデルによってはこの「禁止時間帯」が無い時計もあるのです。僕が知っている限りではロレックスデイトジャスト、デイデイト、ブライトリングのCal.B01を搭載したクロノマットが該当します。
デイトジャストは2017年以降のCal.3235を搭載したモデルです。このキャリパーにはクロナジー・エスケープメントを使っています。
via www.rolex.com
大多数の機械式腕時計はブランド毎に「禁止時間帯」があります。そのためリューズの操作前に「禁止時間帯」は確認しておくことが重要です。ではなぜ「禁止時間帯」があるのでしょう?
早送り車によって機械式腕時計はカレンダー調整をする
そもそも機械式腕時計のカレンダーはリング型をしたプレートです。そのプレートに歯車を絡めてカレンダーを進めます。
このプレートは「禁止時間帯」以外では歯車が離れた状態になっています。通常この「禁止時間帯」以外の時にカレンダー調整をするのです。
歯車が絡んでいない時にリューズ操作で、プレートに「早送り車」という日付調整専用の別の歯車=「日付車」をカレンダープレートに噛ませます。こうしてカレンダーを進ませるのです。
ところが「禁止時間帯」では日付を動かす通常の歯車がカレンダープレートに絡んだ(接触)状態にあります。そんな歯車が絡んだ状態の時に別の「早送り車」を噛ませて操作すると、無理な力が加わることは明らかです。
それを防ぐためメーカーは「禁止時間帯」を設定しています。
この「禁止時間帯」に操作すると「日送り車」などが破損する可能性があります。また注意する点は「禁止時間帯」は実時刻では無く時計本体の針が示している時間帯です。
3気圧防水は30メートルのダイビングには使用できない
もう一つの注意点は防水に関することです。
3気圧防水=30mのダイビングができる!これもよく聞く「勘違いや誤解」です。3気圧はあくまでラボ(実験室)での数値、実際のダイビングの環境とは異なります。
3気圧防水=30mのダイビングができる!これもよく聞く「勘違いや誤解」です。3気圧はあくまでラボ(実験室)での数値、実際のダイビングの環境とは異なります。
実際の海では波もあれば潮流もあり、実水圧は深さ以上の圧力が掛かります。そのためダイバーズウォッチは余裕を持たせ、「300m防水」の時計が多いのです。できるだけダイビングや水泳時にはダイバーズウォッチを使用しましょう。
余談ですが私はロレックスのエアキングをつけてプールで水泳したことがありました。問題はありませんでしたが、危険な行為なので注意してください。
余談ですが私はロレックスのエアキングをつけてプールで水泳したことがありました。問題はありませんでしたが、危険な行為なので注意してください。
まとめルールを守れば怖くない!
さて機械式腕時計の禁止事項や注意事項、僕はリューズ操作が特に注意が必要と考えます。
紹介した「カレンダー(日付)操作、防水に関してもリューズをしっかり締め無いとどんなに優れたケースがあっても意味がありません。
紹介した「カレンダー(日付)操作、防水に関してもリューズをしっかり締め無いとどんなに優れたケースがあっても意味がありません。
しかしリューズ操作も説明書に示されたルールを守れば安心です。
難しく考えないで、リューズ操作時に少しだけ配慮するようにしてください。
難しく考えないで、リューズ操作時に少しだけ配慮するようにしてください。