2019年11月29日 更新

パテックフィリップが最高峰に君臨し続ける理由とは?

世界的腕時計メディア、「HODINKEE」(ホディンキー)にパテックフィリップに関する興味深い記事が掲載されていました。記事からの引用プラス私的意見を交えて、書いていきます。

8,777 view お気に入り 0

一流、でも知名度は高く無いパテックフィリップ

 (226911)

『The power of independence』、パテックの公式HP上にある会長と社長であるスターン・ファミリーによって、1932年から経営者が継承されているのがパテックフィリップです。スターン家は創業時から経営に携わり、ロレックス以上の神秘性を維持しているのがこのブランドの魅力になります。
ラグジュアリーブランドの再編が活発だったミレニアム(2000年)前後を経てもどこのグループに属することはありませんでした。そして、独自の道を歩むパテックフィリップは「一匹狼」を貫き時計界の王者として君臨中です。
『The power of independence』はこのブランド最大のアイデンティティであり、ブランドを体現するフレーズとなっています。しかし僕はパテックPに対して有名なイメージはありません。現実に私の家族は誰も知りませんでした。街中で質問しても同じでしょう。
有名そうで、有名で無いブランド、おそらく街中で質問してわかる人はいわゆる時計好きの人たちでしょう。この理由はパテックが日本で正規代理店を出店したのは割合最近だからだと思います。
私が持っている、雑誌に俳優の中井貴一さんが所有しているパテックのコメントがあるのです。父である佐田啓二氏から譲り受けたパテックフィリップの時計は当時日本に代理店が無かったとコメントしています。内容から推測すると、1960〜70年代にはスイスでしか購入できない、孤高のブランドであったことが推測できます。
情報化社会の今でも、直営店はジュネーブ、ロンドン、パリです。ヨーロッパの貴族のみを相手にしているかのような営業展開、有名そうで有名じゃないことが肯けます。パテックがマーケットを拡大しない理由は単純に生産数を増強できないことにあることは明白です。

ノーチラスref 5711Aの相場高騰

 (226925)

さてHODINKEEの記事で紹介されていた腕時計がパテックフィリップのノーチラスref5711/1Aです。パテックの中でも市場流通量が少なく「プレミア」価格が付きやすい腕時計になります。これまで僕はパテックの相場は詳しく無かったため、今回この高騰を初めて知りました。
 (226926)

SS製の腕時計であってもシースルバック、テンプにゴールドを採用して美しさを追求していることがここからもわかります。いかにもジュネーブ名門時計ブランド(当たり前ですが)らしい雰囲気が特徴です。
トケマーでも出品されていたこのモデルは販売価格が700万円です。しかしHODINKEEの記事によるとヨーロッパやアメリカで正規の販売価格は28,000$(約370万円)になります。世界的にこのノーチラスは日本同様に入手困難で並行価格や中古市場で相場が高騰しているそうです。
パテックフィリップ はハンドメイドに拘ったジュネーブのウォッチブランドらしいメーカーです。しかし手作業ゆえに生産数は限界があります。そのため市場に出る時計は限られてくるのです。

有名人でも購入を待たせる、ブランドの徹底ぶり

 (226936)

トケマーで売られているこのモデルも入手するのに相当苦労されたのでしょう。記事によるとパテックフィリップ のSSモデルがパテックが生産数を制限していることから起きているとしています。
しかしパテックの優れたところはこの人気モデルを有名人だからといって、優先的に配布することをしていません。記事に引用されていたアメリカではテレビ番組に出ている著名人ケビン・オレアリー氏はこのノーチラスを入手するまで7年待ったそうです。
有名人だからといって優先させない事はブランドとして好感を持てます。しかしパテックほどの名門ブランドがこれだけ入手できない状況であるならば、生産数を増強する声もあがるはずです。
ABC's "Shark Tank" - Season...

ABC's "Shark Tank" - Season Eleven

TV番組のコメンテーターでもある氏はノーチラス入手後にこんなコメントを記事に残しています。「理論上私は5万ドルを稼いだのです」と、これはつまり正規価格との差額、アメリカでもプレミア価格でこの時計は簡単に売れるそうです。
先ほどのトケマーの販売価格が相場に見合った価格であることがこの記事からもわかります。希少性の高いこのモデルは記事中でも「100%付加されたプレミア価格」と表現するほどです。

SS製モデルを制限する理由をトップが語っている

 (226986)

しかし、パテックが凄いと感じる点はトップが然るべきメディアに希少性が高い点をコメントしていることです。記事でパテックの社長ティエリー・スターン氏はステンレス製モデルはこれからも製造するが決して、パテックのコレクションを牽引することを望ましく無いとしています。
現行のノーチラスのSSモデルがパテックの売上に貢献している点は明らかです。同氏も「4万本のスティールウォッチを製造すれば問題は解決する」と記事の中に書かれています。

非公開はそのままに、公開することは明白にするパテックの矜恃

 (226990)

ファミリー企業であるためパテックフィリップは生産数は公表していません。この点に関して僕は、非公開で良いと思います。しかし企業哲学、理念などはトップが、質問されたら真摯にメディアで答えるべきです。そのパテックの姿勢はさすがだと感じました。
結論としてパテックフィリップはステンレス製モデルがコレクションの主力になると長い目で見るとブランドの価値を下げるため、生産数を制限していると答えています。パテックはもともとは貴金属類、ゴールド製の腕時計を伝統としています。このことは同社の顧客層の年齢層の高さを反映した物であることは間違いないでしょう。
ノーチラスを含むパテックのSS製モデル品不足問題は相当深刻な問題のようです。従来からの年齢層の他に未来の得意客となる若年層向けへのステンレス製ウォッチ製造は必要です。素材はゴールドと比較して費用も安く、当然販売価格も下げる必要があります。
パテックのように高価格帯をメインにしてきた、ブランドで低価格のSS製時計は短期的にセールスを押し上げます。そのため、名門ブランドほどSS製品に生産をシフトしてしまう傾向になるそうです。
簡単に増産ができない、時計業界にあってパテックの社長はSS製品の増産はブランドのイメージを壊したくたいとはっきりと答える、ティエリー・スターンの姿はパテックが最高峰でいられるのはこんなところにあるのか、そう僕は感じたのです。記事の真意は読む人によって異なります。ぜひ皆さんもHODIKEEの記事を読んでください。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

腕時計怪獣WatchMonster|腕時計情報メディア

関連する記事 こんな記事も人気です♪

【アクアノート編】パテックフィリップ国内定価まとめてみた

【アクアノート編】パテックフィリップ国内定価まとめてみた

前回に引き続き、雲上ブランドパテックフィリップの国内定価を調べてまとめますので、 ご興味のある方はご一読お願いします。
| 4,022 view
【ノーチラス編】パテックフィリップ国内定価をまとめてみた

【ノーチラス編】パテックフィリップ国内定価をまとめてみた

こんな世の中でも欲しいものは欲しい。 特に腕時計は中古相場が下がり続け、反面今買いたい人が出てきております。 その中でも買い時?なブランドの一つがパテックフィリップ。 今狙っているものが定価と近ければ買ってもいいかも?
| 3,666 view
【希少品発見】5800/1A-001ノーチラス

【希少品発見】5800/1A-001ノーチラス

3800の後継機として2005年ごろに登場し、2〜3年の短期間しか生産されていないとされる5800の魅力を考察していきます。
| 3,178 view
【トケマー厳選】パテック フィリップ ノーチラス おすすめモデル4選!

【トケマー厳選】パテック フィリップ ノーチラス おすすめモデル4選!

今回は世界三大時計メーカー"パテックフィリップ"から、トケマー出品中のおすすめ4選をご紹介します。
サウスポー | 6,117 view
着物に合う腕時計を考える

着物に合う腕時計を考える

着物と腕時計はともすると、相反するイメージがあります。マナーの観点から腕時計を装着することを躊躇する意見もネット上で目にします。しかしグローバル化のこの時代、そのような意見は時代錯誤な気がします。今回は私なりに着物と腕時計の付き合い方を書いていきます
goro | 3,204 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

goro goro
腕時計専門のフリマ

フォトギャラリー

腕時計自慢フォトギャラリー
毎日入荷!お気に入りに追加!

Facebook

相互リンク

ロレックス買取専門の大黒屋