2017年1月14日 更新

腕時計100年史 シリーズ② 腕時計アール・デコ時代編(1920後~1930年代中期)

時計が発明されておよそ5,000年が経ちます。 日時計の時代からから始まって、塔時計、置時計、懐中時計の時代へ繋がります。 やがて戦争が腕時計の普及を促し、機械式時計の黄金期に突入。クオーツショックを経て、1980年代に機械式時計が復活、そして現代の自社ムーブ全盛の現代になります。 そんな腕時計が誕生してからの「100年」を、7つの節目に分けて見ていきたいと思います。 第2回の今回は1920年代後半から見ていきたいと思います。

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軍人から一般人へ 腕時計が文化として開花

アールデコの時代/海野弘著

アールデコの時代/海野弘著

腕時計の市場規模がついに懐中時計を超える

 「懐中時計と違って、腕時計は外気に直接さらされる」
その普及が遅れたのは、ケース内に湿気やほこりが入るなどの故障の多さに原因があります。
ですが、ロレックスが1926年にオイスターケースを開発するなど、次第に弱点を克服。
1930年代には懐中時計から腕時計に主流が移行し、手巻き式腕時計が発展します。

その一方で、ドレッシーな角型ウォッチも人気を呼んだのです。
1925年位パリで行われた「現代装飾・産業美術国際博覧会」を発端とするアール・デコが、腕時計にも影響を与え始めます。
 それ以前のアール・ヌーボーが曲線を基調とした手工業による芸術的な工芸品だったのに対し、アール・デコは大量生産・大量消費の時代に対応した工業的なシンプルなデザイン。
直線や円などの幾何学的なフォルムが多用されます。
 (100797)

時計界でアール・デコの象徴とされるのが、1931年に発表されたジャガールクルトのレベルソです。
シンプルで洗練されたフォルムは、まさにアール・デコの典型的なデザイン。
それでいて当時の上級階級で流行していたポロ競技や登山、スキーなどのスポーツを行う際、
風防が破損しないようにケースを反転させるアイディアも盛り込まれました。
レベルソアンティーク : BEST新宿本店 4Fブログ (3339)

左が1931年のオリジナルモデル。右はトリビュートトゥ1931という復刻モデル
ジャガールクルト
創業1833年
創業地スイス/ル・サンティエ
創業以来1000以上の自社ムーブを開発してきた真のマニュファクチュール。
1890年にはすでに125種類のムーブを制作していた。
1931年世界初の反転式ケース採用の「レベルソ」を発表。
現在まで続くヒットシリーズです。1956年には「メモボックス」に自動巻き機構を世界初搭載。
2007年には動力伝達クラッチの必要ないダブル香箱搭載のデュオメトル・クロノグラフで世界を驚かせます。
これらに先駆けて、1917年には帝政ロシアの宮廷貴婦人の依頼でティソが制作したバナナウォッチや、
1919年にカルティエが発表したタンクも、アール・デコウォッチとして人気となります。

また、海を渡った米国ではハミルトンが1928年に名作ダイビングロックを作り、
意外なところで1932年に発表されたオメガマリーンも、アール・デコ様式として人気を博します。
また、その頃ボーム&メルシェが紳士用レクタンギュラーウォッチを発売したのです。
歴史 (3343)

アールデコの典型的ラインが特徴的なイエローゴールド製レクタンギュラー・ウォッチ、ボーム&メルシエ ミュージアムコレクション、1920年製
1920年製、レクタンギュラーイエローゴールド
ボーム&メルシェ
創業1830年
創業地スイス/ジュネーブ
ボーム兄弟が1830年に創業した老舗中の老舗ブランド。
1920年に創業者のウィリアム・ボームと美術品愛好家で実業家のポール・メルシェがパートナーシップを組み、現在の社名に変更。
1973年には「リビエラ」、1994年になると角時計ブームの先駆けとなった「ハンプトン」、
さらに2006年には文字盤からテンプの動きが楽しめる「シースルーウィンドウ」仕様などのヒット作を連発した。
クラス感がありながら比較的購入しやすい価格帯も魅力です。

まとめ

 芸術の世界の流れが時計界にも影響して形が変わっていく、、時計は時代を象徴するひとつのモノなんですね。
そして時計自体が芸術品でもあるように思います。
高級品のレベルソがスポーツを行う上での時計だったなんて信じられません。
時計を反転させる思い付きが凄いです。
この芸術の時代から次は戦争の時代へと変わっていきます。


腕時計100年史 シリーズ③へ続きます。
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