2020年4月14日 更新

ブランド定点観測 Vol.2-「ORIS」オリス

2020年3月の定点観測はORIS(オリス)をピックアップします。僕が初めてオリスを意識したのは映画「コンスタンティン」を見た時です。ラストシーンで時計がストーリーの重要な役割を果たし、ORISのロゴがスクリーン一杯に広がっていました。今回はオリスの時計の魅力を書いてゆきます。

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ORIS(オリス)はどんなブランド?

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ORIS(オリス)は1904年、スイスのヘルシュタインで創業した時計ブランドです。ヘルシュタインはスイス北東部ドイツ国境に近く、他のスイスブランドが集中しているジュネーブ地域より離れています。そのためでしょうか、他のスイスブランドの時計とは違う趣が時計に現れています。
100年以上の長いオリスの歴史の中で彼らにも大きな危機がありました。それがクオーツクライシスで、同社にとって最大の危機であったとHPに書かれています。その危機があっても機械式に拘り採用し続けたことがオリスの誇りです。
グループ化の進む時計業界ですが、どこのグループにも属していないことも特徴です。それにより自社の哲学を徹底でき、外部からの影響を受けない時計造りを続けてきました。このことも一途で真面目な時計造りを100年以上も可能にしてきた要因です。
そしてなぜか、日本とのつながりも深いブランドなのです。経営がピンチだった、「クオーツクライシス」時、ORIS(オリス)にとって日本は重要なマーケットでした。当時のORIS(オリス)社長はビジネスで頻繁に日本へ渡航していたと、公式HPにも記載されています。
クオーツ・ムーブメントを世界中の時計ブランドへ広めた、日本でORIS(オリス)の機械式時計は高く認知されていて、そのため同社は日本へのセールスを積極的に行っていたそうです。IWCはその当時同じアジアの香港で復活のきっかけを掴んだように、当時のスイスブランド経営幹部たちはパスポートを握りしめて、世界中を飛び待っていたのでしょう。
ORIS(オリス)は低く抑えた価格設定でも有名です。それにも関わらず、彼らは機械式ムーブメントを時計に搭載し続けてきました。これは【クオーツ・ムーブメントに手を出した時期がある】ロレックス 、パテック、IWCと言った名門ブランド以上に凄いブランドの証だと僕は思います。
そんな日本贔屓のブランドであるからでしょうか、日本市場を今でもオリスは重視しています。ライターの福田豊氏もYouTube上で、2019年オリス会長にしたインタビューで、同社会長が「80年代日本のDCブランドの若い顧客たちをオリスは大切にしていた」と語っていました。
日本でORIS(オリス)は1980年代アパレルブランドとのコラボウォッチもリリースしていたのです。中古市場で流通している「コムサデモード」の時計も裏蓋を見るとORIS(オリス)のエングレービングが入っています。
つまりORIS(オリス)は低価格でも機械式時計に拘って、オリジナリティー溢れた時計作りをするスイスブランドです。
なおかつ日本贔屓のブランドと言えます。

「ポインターデイト」 オリス伝統のカレンダー機能

僕がオリスのコレクションの中で最も好きなモデルがこのオリスビッグクラウン ブロンズポインターデイトです。理由は2つ、まずこの【ポインターデイト】というオリスオリジナルのカレンダー機能があるからです。
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通常デイト機能(カレンダー)は文字盤に小窓を作り、その裏に日付をプリントしたディスクを回転させるシステムです。ORIS(オリス)はそれを文字盤外周に1〜31の数字をプリントして4つ目の針が1日毎に進み1ヶ月かけて一周します。

Big Crown Bronze Pointer Date x Dr Portmann | Opening our Archives | Oris

ポインターデイト はORIS(オリス)が1930年代に開発したモデルに搭載された機能で、2019年にヘリテージモデルとして復活しました。小窓がついたカレンダーと異なりORIS(オリス)の独自機能として他では味わえ無い楽しみ方ができます。

ブロンズ、殺菌機能などの優れた機能を持つ金属

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好きな理由のもうひとつ、ORIS(オリス)ビッグクラウンポインターデイト には、ケース素材にブロンズが使われていることです。ブロンズとは銅のこと、古くから現代まで幅広く使われてきた金属になります。
上はORIS(オリス)HPからの「ブロンズ」=銅の写真です。銅は時計に使う素材としては一般的ではありません。最近はステンレス鋼に主役の座を奪われていますが、ブロンズは時計ケースの素材として、優れた機能を持っています。
銅は耐食性に優れ、建物の雨どいや屋根の部材として多く使われています。また加工がしやすいうえに機械的性能も良く、鍋などの生活用品に広く使用されています。さらに熱伝導性が良く、肌に直接触れる時計ケースとして、実は最適な素材です。
それなのに、なぜ腕時計ではステンレスが多く使用されているのでしょう。これは銅の表面が経年経過で変化することが理由だと考えます。それに対しステンレスは見た目表面はほとんど変化しません。また一部の人たちに銅は金属アレルギーがあるからでしょう。しかしステンレス鋼に含まれるクロムでも同様の症状が見られるため、それほど神経質になる必要は無いと思います。
ORIS(オリス)はその銅の表面の変化を逆手に取り、経年経過で変化するブロンズ模様をオンリーワンの時計ができる、としてヘリテージで復活させたと思います。IWCもヘリテージモデルで、同じくパイロウォッチにブロンズを使用していますね。
人類が銅を初めて使うようになったのは紀元前7000年頃と言われています。それに対してステンレスはまだ100年ほどしか経っていません。それだけ長い期間銅は我々の生活に密着した身近な金属です。
最近は銅が持つ殺菌作用も注目されており、今後ますます様々な生活用品に使われていく可能性があります。

オリスのまとめ

Constantine - Tokyo Press C...

Constantine - Tokyo Press Conference

"Constantine" Premieres in ...

"Constantine" Premieres in Paris

ネットでORIS(オリス)を検索すると必ず出てくるのが、「真面目なブランド」という評判をよく聞きます。僕は導入文でも書いているようにこの映画「コンスタンティン」を思い浮かべます。映画を見た直後はORIS(オリス)のことはほとんど知りませんでした。
真面目というブランドの印象はどこかIWCと共通する部分があります。地理的にも近いドイツ国境寄りという点も同じです。パイロットウォッチを作っている点も同じになります。でも僕は何と言ってもORIS(オリス)というブランド名の由来に真面目さを感じます。
近くを流れる小川から名付けたということです。なんか素朴で心惹かれるエピソードですよね。新型コロナウィルス騒動で気が滅入る毎日ですが、このORIS(オリス)のブロンズケースは殺菌効果もあり、インフルエンザにも減菌効果がある実験結果が一般社団法人 日本銅センターのHPに掲載されています。
ポインターデイト とブロンズケースと二つの特徴が楽しめるORIS(オリス)は注目時計ブランドです。ぜひ皆さんも検討してみてください。

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