インデックスは時計の表情を決める
腕時計の雰囲気を決定づけるモノはさまざまな要素があります。その中でもケース形状と文字盤が大きな影響を与えるのが一般的です。特に文字盤は時計の顔と言われ、リダンによって全く違う時計に変えることができます。
最近はあまり聞かなくなりましたが、20年ほど前には整形手術感覚で時計業者間でリダンが流行った時期があります。これはEX1が流行った時期に品不足解消のため、黒のAir-Kingのローマンインデックスをアラビア数字に置き換える作業です。
カスタムと言ってしまえばそれまでです。そのようなリダンは褒められたものではありません。しかしそれくらい、時計文字盤やインデックスは交換するだけで全く別の時計に変わる重要な要素です。
例えば上のポートフィノも仮にパイロットウォッチ同様にアラビア数字だったらフォーマルな雰囲気が無くなって、ミリタリーな装いに見える可能性があります。
V・コンスタンタン トラディショナルももしバーインデックスで無ければ?興味は尽きません。
実はインデックスや文字盤の殆どはブレゲの功績
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ブレゲ針やブレゲ数字は彼の功績と知っていましたが、文字盤に関する仕上げでもブレゲが発案だったことは今回初めて知りました。
ギョシェ文字盤に装飾された「ギヨシェ彫り」はブレゲの発案ということを初めて知りました。ブレゲの功績はこれまでムーブメント機構に関する物ばかりと僕は思いこんでいたのです。
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有名なブレゲ数字はアラビア数字を少し崩してエレガントに仕上げた彼オリジナルのレタリングです。ブレゲはこのエレガントなブレゲ数字を白色のエナメル文字盤に描いています
彼がこれまで残してきた時計にはそのような規則性があります。これはそれだけブレゲが文字盤とインデックスが時計の仕上げに大きく影響すると認識していたからでしょう。
機械式時計の技術を200年進ませたと言われるブレゲですが、文字盤に関するアイディアも多いことも彼の功績です。精度プラスデザインが時計には不可欠と考えていたのではと、思います。
あまり常識に縛られない!
カジュアルな装いにふさわしいと言われるアラビア数字、フォーマルなローマン数字ですが、あまりその常識に縛られない方が良い思います。ファッションの流行は時代と共に変化するのが常です。
ダイバーズウォッチにタキシードというようにひと昔だったらタブーだったスタイルも現代ではセンス良く受け入れられます。その功績者はなんと言ってもJ・ボンドが任務中にウェットスーツをタキシードに着替えるシーンからと言われます。
ショーン・コネリーからダニエル・グレイグへと継承されたこのトレンドは世界中のメンズにとって憧れのスタンダードファッションへと定着します。つまりこれまでの常識や固定概念だけで時計を選択するのでは無く、最新のファッション事情を取り入れお洒落を楽しむように時計をつけるのがおすすめです。
時計は装飾と機械機構をリンクして楽しむべき
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機械式時計で真っ先に注目されるのが、「メカ」の部分です。しかし機械式時計はやはり工芸品、ムーブメントと装飾との合作とで作られるハーモニーになります。これらがエレガントに調和することが大切です。
時計の天才ブレゲが意外にも時計の機械式機構と同じように装飾の発案を大事にしていたことを僕ら時計好きは認識する必要があります。時計の知識を高めることで、より良い腕時計を見つけることができるはずです。
彼はムーブメントだけでは時計は成り立たなく、美しい装飾があって、初めて良い時計に仕上がるとことを経験から理解していたのです。そうでなければ、技術的な発案と同じくらいの装飾発案はないでしょう。
天才でさえ装飾を大事にしていたため、僕らもそれに関する知識を高めることが重要です。時計の知識が高まることで、より良い腕時計を見つけることができます。ブレゲが大事にしてきた想いを僕らも継承したいですね。
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今回あらためて、ブレゲの偉大さも認識しました。皆さんもブレゲが発案した美しい文字盤の装いやインデックスの知識を高めて、より良い時計を購入する時の参考にしてください。
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