2018年9月9日 更新

名機には良いネーム、時計のネーミングはどうあるべきか?

腕時計の名前はブランドの哲学、時代背景が反映されて興味深い物が多くあります。今日はそんな名機のネーミングの由来や解釈を紹介してゆきます。

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良い時計のネーミングとは?

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この時計怪獣で、腕時計に関する記事を書いていつも思うことは、名機と呼ばれる腕時計には、美しいネームがあることです。
創業者が天啓を受けてのネームや、当時の時代背景を写した出した物など、様々な物があります。
その想いが、実際の腕時計を腕にした時にふと蘇る感じがします。今日は「名機」と呼ばれる腕時計のネーミングについて、個人的な意見も交えて書いてゆきます。

モデルの由来を大切に、ポルトギーゼ

IWCのコレクションはシンプルで、コレクションはわずか、6ラインナップしかありません。しかし、その名前は『ダ・ヴィンチ』、『パイロット・ウォッチ』、『インヂュニア』など人物の名前もあれば、単語や地名などもあり実に様々です。
その中でネーミングに惹かれるモデルが『ポルトギーゼ』です。名前の由来は2人のポルトガル人から要望を受けて製作した、ことからでした。
2人の“ポルトギーゼ”商人の要望を叶えるために作られた時計は高精度のムーブメントと『大型の文字盤』、『シンプルなアラビア数字』、『スリムなリーフ針』、『レイルウェイ目盛』でした。
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彼等は航海用の時計として懐中時計全盛の1930年代、当時の時計に関する不満があったと推測できます。航海中の航海士達は一瞬足りとも目を離せない事が多く、ゆったりと時間を見ることはできません。ポケットウォッチは時間を確認するたびにポケットから時計を取り出す手間がかかり、瞬時に時間がわからなく、彼等の求める実用性とは、ほど遠い時計ばかりでした。
そんな当時の航海士が満足させるべく、このポルトガル商人はIWCに発注したのでしょう。後にポルトギーゼに搭載した、ミニッツリピーターも航海士にとっては実用性の高い機能でした。彼等の見張りの交代時間をゴングが教えてくれました。また時計を出さずに時間がわかる機能はとても便利なものでした。
発売当初この時計は、人気が無くセールスは良くなかったとされています。しかしIWCはモデルの由来を頑なに後世へ、モデル名として継承してゆきます。
その後ポルトギーゼはクロノグラフモデル、「ポルトギーゼ・ラトラパンテ」を1995年に発表してから、このコレクションは大ヒットします。
今では、このモデルはIWCのフラッグシップとも言えます。メカニズムも優れていますが、僕はこの腕時計は名前が美しいからと、思います。
1930年代に依頼した、2人のポルトガル人に感謝ですね。それとこの時計の哲学を継承したIWCの哲学も素晴らしいですね。

冒険者という、1960年代を感じさせるネーミング

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1953年に発表されたエクスプローラーは、日本語に訳してもわかりやすい「冒険者」です。
登山用でありながら、「クライマー」や「アルピニスト」としなかった事が当時のロレックスの哲学がわかります。
更にこの後発表した、エクスプローラー2は洞窟学者用というコンセプトでした。【特殊な職業の人達】用とした割には、世の中の多くの人に受け入れられました。これは間違いなく、未開の地に行く、【冒険心】が世の中に溢れていたからでしょう。
また2018年にタイであった、洞窟から少年達を救うニュースで報じられた、『洞窟救助スペシャリスト』はイギリスから派遣されたと報道されていました。
ヨーロッパではこんな特殊な職業の人が居るとわかった時に、僕はエクスプローラーのコンセプトが初めて理解できました。
1950年から1970年当時ロレックス(Rolex)の専門職の人へ貢献したい、スピリットを感じさせるネーミングの意味をこのタイのニュースは教えてくれました。
冒険という、意味の奥深さ、多くの人に使ってもらいたい想いも感じました。
また当時のエクスプローラーは他のモデルと比較して値段も安い設定でしたしね。本当にユーザー目線のモデルでした。

海を超える!これはどんな意味が込められている?

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個人的には一番良いネーミングと感じるのがこの、1996年発売のヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ」です。
直訳では「海を超える」か、「海外」という意味もあり、これがどちらの意味合いなのかと考えるのも少しミステリアスな気もします。
この1996年はヴァシュロン・コンスタンタンがリシュモングループに加入した同じ年でもあります。Vコンスタンタンはこのモデルを当時、スポーツモデルでありながら、「旅」をテーマにしています。
そう考える「海外」とか「海の向こう」という意味合いが適切なのかも知れません。
そしてこのモデル発表以降、ヴァシュロン・コンスタンタンは今までに無かったスポーツラグジュアリーモデルを投入して、ブランドの知名度も一気にアップします。
この「豪華路線」からの転換は、まるで高級車メーカーが新たにスポーツカーの分野に参入する、ドラスティックなチャレンジでした。
しかしこのチャレンジは大成功でしたね。
このオーヴァーシーズは今ではヴァシュロン・コンスタンタンのフラッグシップモデルになっています。
時計自体の質も良かったですが、ネーミングも素晴らしかった事がV・コンスタンタンの主力機種になった最大の要因であると私は思います。

時計のネーミングはますます、重要になってくる

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時計のネーミングはこれまでのモデルを見ている限りとても重要で、成功を収めたモデルほど良いネーミングがあります。
そのためメーカーのネーミング担当者や責任者にかかるプレッシャーも重くなっていく事でしょう。
しかし、ネーミングに関しては魔法の薬や特効薬はありません。
大切な事は、時代背景やブランドの考え、そのモデルがなぜ生まれたかを紐解き、最も大切な事は、やはりブランドの哲学や想いをこめる事も大事でしょうね。
しかし時計のニューモデルはそのモデルを作った事が成功かどうかを見極めるまで時間が掛かります。
現在のニューモデルに関しても、まだそれを成功かどうかを判断するのは難しいですね。前述のポルトギーゼは1939年のリリースからヒットするまで56年かかっています。
たとえ短期的なセールスが不調でも、めげる事無く、必要ならば改良を加えて末長く育てる事も大事です。
良いネーミングの個人的な意見は、まず「ミステリアス」で「ロマンを感じる」ネーミングが良いと感じます。
そして、シンプルなネーミングよりも、辞書を引くくらいの難解な意味の腕時計が、これからは出てきて欲しいです。

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