薄型時計は長袖を着ていても時計の出し入れがスムーズ
長く続いたデカ厚時計ブームが終焉して、小さな時計がこれからは注目です。ケース厚も一部モデルを除き、薄くなる傾向が見られます。ただ機械式時計はケース厚が厚いのが半ば常識でした。では実際僕の私物で厚みをチェックします。
僕の私物時計の写真です。クオーツ時計SKAGENの時計でおおよそ6㎜のケース厚になります。それに対して私のTISSOTはケース厚が13㎜です。写真で見ても明らかに機械式時計の方は厚く実用性を考えると少々使いにくいことは確かです。
夏はケース厚みがある時計を使うのは邪魔になりませんが、長袖のシャツを着るシーズンに厚みがある時計はスムーズに袖の中へ時計を納めることができません。
春先も下の写真のように袖の奥に機械式時計が「詰まっている」状態だと想像できます。
春先も下の写真のように袖の奥に機械式時計が「詰まっている」状態だと想像できます。
薄型時計であれば時計を袖から出す時も時計本体が袖に引っ掛からず、スムーズな出し入れが可能です。真冬であれば長袖にコートやダウンウェアを着ることになり、写真以上にモコモコになります。薄型時計だと時計の出し入れで使い勝手が良いことは間違いありません。
薄型時計の基準は?
薄型時計の定義はどのくらいか?クロノス日本版のHPの記事中に【ケース厚が10㎜以下を切れば「薄型」、6㎜以下を「極薄」言える】と書いています。僕もこれに同感です。写真のSKAGENを僕が手放せないのもそんな薄さが魅力だからです。
6㎜の薄さの時計はシャツの袖で引っ掛からないことと、何より軽いことも魅力です。装着していても違和感無く、たまにTISSOTを付けた後に交換するとつけていることを忘れることもしばしばです。
僕はこれまで狭いところを歩いている時、うっかりドアノブに時計を引っ掛けてブレスのコマを外したこともあります。狭い日本では薄い時計の方が明らかに実用的です。ただ、薄型時計はまだまだ数も少なく、どのブランドを選んだら良いか迷います。
なぜか薄型時計はジュエリーブランドがメインだった?
via www.bulgari.com
さて少数派の薄型腕時計のモデルを多く出しているのは「ジュエリーブランド」です。写真のブルガリ、オクトフィニシモは厚さ5.5㎜の極薄タイプになります。それに対して時計専業ブランドは薄型モデルを多く投入してはいません。なぜブルガリが薄型に熱心だったのか?僕なりに推測すると「ジェラルド・ジェンタ」が居たからと考えることができます。
天才時計デザイナーであるジェンタは時計作りをジュエリーの延長と考えていました。自身のブランドをブルガリに買収されてそのためブルガリ傘下に入ります。そのことで、優れたデザインの「オクト」を世に出せたのでしょう。
そしてジェンタは時計造りに情熱をかけていたことは紛れもない事実です。ただジェンタデザインの時計に関して謎が多く、ジェンタの作品でありながら、彼が公表を望まないモデルも多くあるとされています。このオクトもジェンタのデザインではありません。
via www.bulgari.com
しかしブルガリはジェンタへのトリビュートモデルを出しています。オクトのこのシェイブもどう見てもロイヤルオークやノーチラスと同じですからね。ジェンタのデザインする時計は当時から比較的大きなケースが特徴です。そして大型ケースは薄型ムーブメントを搭載するのに適しているのです。
もしかしたらその大きなケースデザインが薄型にする理由かも知れません。
いずれにしてもブルガリは薄型時計を検討する場合、最も参考にしなければいけないブランドです。ジェンタのハイセンスな時計デザインも見逃せません。
いずれにしてもブルガリは薄型時計を検討する場合、最も参考にしなければいけないブランドです。ジェンタのハイセンスな時計デザインも見逃せません。
時計専業ブランドではまずAP!
時計専業ブランドで薄型時計を熱心に製造しているのはジャガールクルトとオーデマピゲでしょうか。この2社は名前からして「薄型」をアピールするモデルが実在します。
このロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン、僕が嬉しいのはAP(オーデマピゲ)がニックネームを全面に出してくれていることです。一般的にニックネームはユーザーから自然発生しています。
ロイヤルオークのニックネーム「ジャンボ」はリリースされた1972年当時39㎜ケースはかなり大きい物でした。そのことから「ジャンボ」と呼ばれるようになったのです。
このエクストラシンは薄さ僅か6㎜です。先ほど私物の写真と同じ数値になります。薄型ムーブメントにすると必然的に耐久性を持たせるためにケース径を大きくする必要があるそうです。
ジャガールクルトも薄さに実績がある
さて対APと「薄さ」の実績で甲乙つけがたいブランドと言えばジャガールクルト(JL)でしょう。上の写真マスター・ウルトラスリム・スモールセコンドで厚みは6㎜です。JLは正統派クラシックウォッチを得意としていますね。どちらかと言えばフォーマルなドレスウォッチというところでしょうか?
パワーリザーブは42時間あります。これを多いと見るか否か。僕は十分だと思います。
いずれにせよ、ムーブメントも実績があり信頼性の高いジャガールクルトも薄型を考える時は外せません。
いずれにせよ、ムーブメントも実績があり信頼性の高いジャガールクルトも薄型を考える時は外せません。
ジュエリー系2社と時計専業2社が薄型4強!
薄型時計は他にジュエリー系ブランドとしてはピアジェ、専業ではV・コンスタンタンや最近ではパネライも薄型市場へ参入しています。
僕はジュエリー系のブルガリとピアジェ、専業のAPとJLが薄型の4強ブランドと考えます。薄型時計は最近だとチタンを使用する時計が増えてきたことと、シリコンをヒゲゼンマイに使用できることもあってこれからはもっと身近になるでしょう。
via www.tokemar.com
そしてトケマーを覗くとロイヤルオークエクストラシンは売り切れでした。同じロイヤルオークを買うなら少し頑張ってこの薄型を買うのが良いのでは?
皆さんも薄型時計、ぜひ注目してください。
皆さんも薄型時計、ぜひ注目してください。